もう難しくありません。担当編集者とともに、ゆっくり、じっくり読んでいきます。
本居宣長は江戸時代の古典学者です。その業績は厖大ですが、最も知られているのは『源氏物語』の味読と『古事記』の解読です。
『源氏物語』は平安時代、紫式部によって書かれ、抜群の人気を博しましたが、そのいっぽうでは不道徳な読物と蔑視されてもきました。しかし宣長は、「物語を道徳的観念で読んではいけない、これは人間の心とはどういうものかを事細かに描き出そうとした物語なのだ」と言ってその真価を初めて世に知らしめました。
また『古事記』は奈良時代に出来ましたが、すべてが独自の漢字表記であったため誰にも読めない状
態が1000年以上も続いていました。宣長は、その『古事記』も一代で読み解きました。
『源氏』も『古事記』も、なぜ宣長だけに読めたのか。そこを小林秀雄氏は63歳の年から12年半という歳月をかけて考えぬき、『本居宣長』全五十章に書きました。この講座ではその五十章を、一か月に一章ずつ、4年2か月かけて読んでいきます。
◆各回の内容予定
10月:第一章/類い稀な遺言書
11月:第二章/思想のドラマを観る
12月:第三章/町人心の学問
◆テキストは新潮社刊『小林秀雄全作品』第27・28集(脚注付、各2,200円/税込))が好適です。新潮文庫版(上・下、各825円/税込)は巻末に注解が付いています。どちらかを、各自ご用意ください。
【日時】10月1日(木)、11月5日(木)、12月3日(木)各18:30〜20:30 全3回
【会場】新潮講座神楽坂教室(教室開場は30分前です)
【受講料】9,900円(税込3,300円×3回)
※神楽坂ブック倶楽部(KBC)会員は受講料が5%割引になります。
◆三回一括受講が原則ですが、都合で1回、2回のみ受講される方は、電話予約(03‐3266‐5776)のうえ、当日窓口で受講料をお支払いください(現金のみ)。